タイランド太平記

タイの政治、経済、文化、生活等、自分が興味を持ったことを、自分なりに解釈して書いています。

欧米での海外不動産開発の仕事に20年以上携わってきましたが、アーリーリタイアして、タイに住み始めてもう10年目。
タイに興味がある、タイが好き、将来タイに住みたいという人のために、ジャンルを問わず、不動産のこと以外で思ったままのことをこのブログで書いてみることにしました。
光があれば影があるように、タイにだって悪いところはたくさんあります。
その結果、やはり日本の方がいい、他の外国の方がよさそうだ、と思う人もいて当然であり、人それぞれですが、その判断の参考になればと思います。

リタイアメント

タイでハッピーリタイアメントはもう夢か?(その3)

超円高
もっとも、我々日本人にとっては、2012年前後にこれより凄い超円高バーツ安の時期があったのですが…。

その頃、スーパーリッチなどの市中為替交換業者に1万円を持って行けば、4,100バーツに交換してもらえたのを覚えている人も多いと思います。

当時、私もタイに住み始めて間もない頃だったのですが、巷でいわれていたのが、タイは日本の3分の1の生活費で暮らせる、ということでした。

しかし、バンコクの場合、それはややオーバーながら、少なくとも東京の半分以下の生活費で暮らしていけるというのが、私の実感でした。

その後、このグラフでわかるように、2016年にバーツ安となったものの、それ以降、ほぼ3年間、日本円だけでなく世界の主要通貨に対するバーツ高のトレンドが続いています。

そして、もしこの状況が今後も続くとしたら、欧米人だけでなく我々日本人にとっても、タイはもうハッピーリタイアメントライフとはあまり縁がない国になってしまうはずです。


しかし、いくら貿易黒字と観光収入が魅力といっても、それが今、バーツ高のためにじりじりと減りつつあるわけで、今後、さらにタイバーツ高が続くというよりも、むしろ米ドルを含めた主要通貨に対するバーツ下落が遠からず始まるのではないかと思っています。

もっとも、バーツ下落はまだ1、2年先のことかもしれず、いずれにせよ、バンコクでの不動産投資のタイミングとしては難しい時期なので、新規の投資に関しては、今は様子見が得策だという考えには変わりないのですが…。

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タイでハッピーリタイアメントはもう夢か?(その2)

fx

タイバーツがこれだけ買われる理由は、今も続く貿易黒字と600億ドルを超える巨額の観光収入にある。

ブルームバーグの記録によれば、2019年だけでタイバーツは米ドルに対し6%以上も高くなり、アジア各国の中で最もパフォーマンスの良かった通貨である。

また、みずほ銀行の通貨トレーダーによれば、タイバーツは今後も強い通貨であり続けるだけでなく、他国企業が米国による中国製品に対する関税を回避するために、タイに工場を移転するようなことが起これば、さらにバーツ高が進む可能性もあるとのこと。

40年前、デンマークからパタヤに移住してきたニールズ・コロフによれば、パタヤの欧米人年金生活者たちの一部は、このバーツ高に対し、既に行動を起こしつつあるとのことである。

すなわち、ベトナム、カンボジア、そしてフィリピンへと移住していくエクスパットが増えつつあり、今も数千人のエクスパットが海外移住を検討している。

また、20年前にオーストリアから移住してきたクリスティアン・フォースターいわく、パタヤに住み続ける年金生活者にとって、これからは生活費を切り詰め、生活スタイルを変えて質素に暮らしていかなければならないという一大転期にきている、とのこと。

しかし同時に、タイでの生活費は今のところ、まだアメリカやヨーロッパ等の先進国よりは割安感があることから、これからもタイはリタイア後の移住候補地の1つではあり続けるであろう。

ところで、最初に登場したブライアン・マクシーの話に戻すと、彼が現在受け取っている月額1,000ポンド(約13万円)の年金では、既にリタイアメントビザ更新の要件を満たすことができなくなっていて、今はタイの銀行に80万バーツ(22,000ポンド)の預金をしなければならない。

それでも、彼自身はパタヤを離れるつもりはないものの、80万バーツもの大金を銀行口座で眠らせておかなければならないというのは負担が大きい、とのことである。

以上が、バンコクポストの記事ですが、ここに添付したのが、今日時点の米ドルとタイバーツの交換レートの推移です。これを見ると、2015年後半から2016年末まで1年半続いたタイバーツ安の間に、香港、シンガポール等の外国人投資家が、一挙にタイで不動産投資を始めた理由がわかります。

次回に続く
 

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タイでハッピーリタイアメントはもう夢か?(その1)

Thai Baht

バンコクポストで、最近の急速なタイバーツ高のせいで生活費が上昇したため、欧米人の間でも、タイは住みにくい国になったという記事が出ていました。

これについては、最近私も実感しているので、「今は「入口」ではなく「出口」を目指すとき」や「タイバーツ独歩高、バンコクに住むエクスパットの反応」でも既に書いたのですが、不動産投資とも間接的に関係する興味深い内容なので、これも紹介してみることにします。

たとえば、2016年のバーツ安の頃に、タイは生活費が安いからと、定年退職後のハッピーリタイアメントライフを過ごすためにやってきた人の間でも、自己居住用不動産を購入した人の場合、当時の交換レートでまとまった資金を日本円からタイバーツに交換して送金しているはずなので、今は2割前後の為替差益が出ていることになります。

一方、賃貸で過ごしてきた人にとっては、1バーツが3円50銭以上という今の為替レートでは、家賃も含めると馬鹿にならない生活費となってしまい、もうハッピーリタイアメントどころではない状況になっているのかもしれません。

しかし、輸出が減り、観光収入も減り、経済全体が低迷しつつある中、どうしてタイバーツだけが世界の主要通貨に対して独歩高を続けているのか、私を含めて不思議に思う人が多いはずですが、その理由についてもこの記事は書いてあります。

さて、下の記事は定年後のリタイアメントを過ごすためにタイにやってきたイギリス人の話で始まりますが、興味深いので全訳してみることにします。

題:タイバーツ高がハッピーリタイアメントライフの夢を打ち砕く

イギリス人のブライアン・マクシ―は、UKポンドで受け取る年金で十分余裕のあるリタイアメントライフが過ごせると信じてタイに移住してきたのだが、今のタイバーツ高により、最近はリタイアメントビザ取得のための財務要件を満たすのが難しくなってきているのを実感している。

彼はかつて航空機のエンジニアであったが、20年前に55歳で移住してきたころには、タウンハウス、ピックアップトラック、オートバイといったものを安く買うことができた。当時、1ポンドは60バーツの価値があったからである。しかし、今は38バーツにしかならない。

その頃、彼が住むパタヤでは、物価が安く生活しやすい場所として、主にヨーロッパの定年退職者に人気があったのだが、もう今はそんなことはない。

これは急速なバーツ高が、タイで過ごす外国人達に与えている影響の一つの例であるが、実はタイバーツは、この5年間で米ドルに対し、世界で最も強くなった通貨のベスト5に入っているのである。そして、これがタイの輸出競争力を低下させ、2014年以来最低の経済成長に引き下ろしてしまっている。


昨年、タイ政府は8万件のリタイアメントビザを発給したが、それでも2014年から30%の増加となった。このビザを取るためには、外国人はタイ国内の銀行に80万バーツを預金するか、65,000バーツ/月の年金収入、もしくは、年金収入と預金の合計が80万バーツなければならないという決まりになっている。

タイの移民局によれば、2018年、イギリス人がリタイアメントビザの取得数で最多数を占めていて、それに続いてアメリカ人、ドイツ人、中国人、スイス人と続いたが、彼らはいずれも、安い生活費と太陽に満ちたリタイアメント生活を夢に描いてタイにやってきたのである。

ところで、1997年に起こったアジア通貨危機当時、叩き売られたタイバーツであるが、今は世界中の投資家から、魅力ある安全な通貨と目せられるようになっている。

次回に続く

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   プロフィール

藤澤愼二 ฟุจิซาวะ ชินจิ

近況は以下のAmazon著者紹介で
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