タイの没落4
さて、これがAREAの過去30日間で最も多く読まれたコラムのランキングですが、日本企業がタイから出ていくことのタイ経済への影響について書いたこのコラムが1位となっています。

基本的にAREAは専門的なことを書く研究所であり、私も著書や自分の不動産ブログでよく彼らの調査結果やレポートを引用するのですが、タイ人の間では経済やビジネスに十分なベースがある知識人が主な読者です。また、新聞にもよくそのレポートが取り上げられます。

そういうことを考慮すると、このコラムが5月27日にアップされたにも関わらず、今も1位の座を占めているということは、多くのタイの知識人やビジネスマンが、この記事に注目しているということでもあります。

ところで、実は彼らのコラムは2部構成になっていて、5月27日と6月16日の2回に分かれています。そこで、この2つをまとめた形でその概要を、以下に訳してみます。

เศรษฐกิจไทยถึงเวลาจมดิ่งแล้ว(没落の時が来たタイ経済)

1.1985年9月22日のプラザ合意により、日本企業は海外へ生産拠点をシフトし始めた。そのターゲットとなったのがアセアンであり、中でも特にその恩恵を受けたのが、当時、政治的に安定していたタイである。

タイの没落2
2.その結果、タイは高度の経済成長を遂げられた。日本からの巨額の投資でタイの工業生産は急拡大し、3年後の仏歴2521年(1988年)には、タイのGDPにおける工業生産が、それまで1位であった農業生産を超えたのである。このことは言い換えれば、日本がいたからタイは工業国としてここまで成長できたのである。

3.しかし、それから30年経った今、その日本企業がタイから去ろうとしている。パナソニックはベトナムに去ったし、シャープはインドネシアに移った。

4.そして、タイがアジアのデトロイトと呼ばれるようになったのは、日本の自動車産業がいたからである。トヨタ、ホンダ、ニッサン、マツダ、イスズといった日系企業がタイに工場を置き、2018年には216万台もの車が生産され、その約半分が輸出されている。

5.この巨大産業が今、徐々にタイから去ろうとしている。その理由はタイの人件費が高いからではない。タイバーツが高すぎるからである。そしてこれは、タイ中央銀行とタイ軍事政権の愚策の結果である。このままでは、タイもかつてのアルゼンチンやブラジルと同じ轍を踏むことになってしまうのである。

次回に続く

にほんブログ村 海外生活ブログ タイ情報へ
にほんブログ村