タイ航空破綻2
さて、前回から3日ほど経ち、その間にも進展があったので、それも含めて書いています。なお、タイ航空の問題についてあまり知らない人は「誰がタイ航空をこんなにした?」で2回にわたり解説しているので読んでみてください。

まず、これが現在のタイ航空の財務内容です。コロナウイルスのロックダウンによるこの数か月の空港閉鎖で、ほとんどの便が欠航になったことで収入が途絶えました。その上、労働組合が強いこともあって従業員を解雇できないため、この半期だけで181億バーツ(約600億円)もの赤字となる予定です。

その結果、資本の部がマイナスに転落し、とうとう債務超過状態となります。すなわち、のれん代や含み益といった目に見えない資産価値を除いたバランスシート上の企業価値はゼロということです。

これを会社更生法で再建しようというわけですが、不動産会社やホテルなどはビルや土地の含みがあるので、会社再建の足掛かりにもなりますが、国営航空会社が不動産投資をしているとは思えません。

先日、破産したレナウンなどは業歴も長いので、もしかすれば、不動産も保有していて担保余力があるかもしれませんが、タイ航空は飛行機も全部リースで、大きな資産価値のあるものはほとんどありません。

これで会社再建といっても、前回書いたように和議や民事再生と違って
更生の場合は、会社再建の計画に債権者の合意が必要です。

さらに、昨日、偶然
パキスタン航空の旧型航空機、エアバスA320がカラチ市の住宅街に墜落しましたが、誰がタイ航空をこんなにした?(その2)」で海外のアナリストが指摘しているように、タイ航空もいまだに同じA320やA340という、安全性でA380のような新型機に及ばない旧型機を使っています。

従って、早急に新型機種への更新が必要ですが、そのためにはさらに大きな資金が必要になると同時に、それを整備できるだけの技術の習得も必要という課題もあります。


今のところ、海外の債権者は破産裁判所による会社更生に賛同しているということなので、とりあえずは前に進みそうですが、こういった課題が多いだけに、実際の再建計画が出た時点で反対するところが出てくる可能性は大いにあると思っています。

いずれにせよ、政府が持つタイ航空の発行済株式のうち、3.17%が既に第三者のファンドに譲渡され、タイ航空は民間企業へと移行し、会社再建に向けて動き始めました。

タイ航空
次に、2万人ほどいる従業員の3割を解雇することになりそうですが、同時に、硬直した人事制度の見直しをすることも必須です。

これについては、労働組合も当初は民営化には反対していましたが、結局、会社が倒産してしまえば、元も子もなくなるので、民営化と従業員の解雇や労働組合解散に同意しつつあるようです。

今の時点ではこんな状況ですが、タイ航空はすでに78億バーツもの資金ショートを起こしているわけですから、一刻も速く再建プランを策定し、裁判所と債権者に承認してもらう必要があります。

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