タイ航空破綻1
昨日、内閣は
ศาลล้มละลาย(破産裁判所)に対してタイ航空の再建を申請するという結論に至りました。

これは日本の「会社更生」法
に近いものだと思いますが、裁判所に任命された管財人がタイ航空の再建を行うというものです。

ただし、申請したからといって裁判所が単純に引き受けるものではなく、
タイ航空の会社再建計画や負債状況などの詳細をチェックした後、再生をする価値があると認めてもらえなければなりません。

もし、タイ航空が粉飾決算や不正な会計処理を行っていることなどがわかれば受理されず、そのまま倒産という場合もあります。

それに、海外の債権者も多いのでアメリカのチャプターイレブン申請も考えているようですが、これまでタイ航空は国営だから潰れないと信用してきた海外の債権者にしてみれば、裏切られたような気もするかもしれません。従って、簡単に再建計画に同意するかどうかもわかりません。

このように、会社の再建に乗り出すには、上の図にあるように、再建計画を裁判所と債権者に承認してもらわなければならず、タイ航空にとってはこれから2つ難関が控えているわけです。

ところで、私もずいぶん昔のことですが、不動産業界に転職する前に金融機関で働いていたことがあります。その頃の日本には「和議」法という非常に債権者にとって不利な法律があり、倒産した債務者にこれを申請されて受理されてしまうと、債権者は手が出せなくなったものでした。

今はそれがあまりに債務者を保護し過ぎるということで「和議」はなくなり、代わりに「民事再生」法というのができていますが、それでもこれは、既存の無能な経営陣がそのまま会社の再生を任されるというものであり、債権者にとっては不利な法律です。

しかし、今回の決定が日本の会社更生法に相当するものであれば、タイ航空にとっては、「誰がタイ航空をこんなにした?」で2回にわたって書いたように、政治家や軍人を中心とする官僚の利権を断ち切ることができると思います。

それともう一つ、これまで会社経営のネックといわれてきた労働組合の問題がありました。これまでタイ航空の株式の51%を持つのがタイ政府ということもあり、タイ語でいう「カーラチャガン」、つまり、公務員と同じ法律が適用されていて、従業員の人員整理や解雇ができませんでした。

しかし、今回の会社更生ではタイ政府の持ち分を2%落とし、49%にするということのようです。それであれば、タイ航空は民間企業となり、管財人は不要な従業員の整理ができるし、非効率な人事が指摘されてきたタイ航空の人件費削減も可能となります。

ただし、この民営化に対しては、労働組合がその既得権を失いたくないので猛烈に反対しているようです。

次回に続く

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